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産業廃棄物の単価(kg単位・業種別)の読み方

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産廃台帳編集部

「1kgあたり何円か」を調べても、見積書がトン建てや台数建てだと比べられません。この記事では、公的機関が公表している重量換算係数を使って単位をそろえる手順と、業種によって単価の見え方が変わる理由を示します。

この記事の結論

  • 単価の表記は「円/kg」「円/トン」「円/立方メートル」「円/台」の4通りです。kg建てとトン建ては1,000倍の関係で、容積建てと台数建ては重量換算係数がないと重量建てに直せません。
  • 重量換算係数は国土交通省が調査要領の中で参考値を公表しています。建設発生木材は0.4〜0.7トン/立方メートル、建設汚泥は1.2〜1.6トン/立方メートルです。
  • 業種によって単価が違って見えるのは、業種ごとに出る廃棄物の種類が違うためです。紙くず・木くず・繊維くずなどは業種が指定されており、同じ物でも業種によって産業廃棄物に当たるかどうかが変わります。
読む時間 約7分
手元に用意するもの 見積書・1回あたりの排出量・容器や車両の容量
この記事で分かること 4通りの単位を円/トンにそろえる手順

単価の表記は4通りある

産業廃棄物の単価は、公表料金表でも見積書でも次の4通りで書かれます。この4つが混在したまま金額を並べても、大小の比較になりません

表記よく使われる場面円/トンに直す方法
円/kg・円/10kg計量器のある施設への直接搬入円/kgを1,000倍する
円/トン公共関与の処理施設の料金表そのまま
円/立方メートル容器・コンテナ単位の回収重量換算係数(トン/立方メートル)で割る
円/台ダンプ1台単位の受入積載容量×重量換算係数で1台あたりの重量を出し、単価を割る

出典島根県環境管理センター/クリーンいわて事業団/大阪湾広域臨海環境整備センター/秋田県の各公表料金表に見られる表記

同じ廃棄物でも、施設によって単位が違います。たとえば東北の施設は円/10kg、近畿と中国の施設は円/トンで公表しています。290円/10kgは29円/kg、29,000円/トンです。

kg建てに直すと桁の感覚がつかめる

トン建ての単価は数千円から数万円の幅で書かれるため、日々の排出量に対する感覚がつかみにくくなります。kg建てに直すと、品目ごとの重さが実感に近づきます。

公表されている処理単価をkg建てに直す(円/kg・税および産業廃棄物税を除く)
01122334455鉱さい8.0円がれき類10.0円木くず15.0円金属くず15.0円紙くず20.0円廃プラスチック類25.0円繊維くず50.0円
01122334455鉱さい8.0円がれき類10.0円木くず15.0円金属くず15.0円紙くず20.0円廃プラスチック類25.0円繊維くず50.0円

出典公益財団法人島根県環境管理センター「処理料金表」の処理単価(円/トン)を1,000で割った値(総額単価には別途消費税と島根県産業廃棄物減量税1,000円/トンが加わる)

島根県環境管理センターの処理単価をkg建てに直すと、鉱さいが8円/kg、がれき類が10円/kg、木くずと金属くずが15円/kg、紙くずが20円/kg、廃プラスチック類が25円/kg、繊維くずが50円/kgです。同じ1kgでも品目によって6倍以上の差があります

なお、この施設では処理料金の計算を10kg単位で行うと明記されています。少量ずつ搬入する場合は、端数の切り上げ方も金額に効きます。

容積建て・台数建てを重量建てに直す

見積もりが立方メートル建てや台数建てで来た場合、重量換算係数を使って円/トンに直します。国土交通省は建設副産物実態調査の記入要領の中で、参考値としての重量換算係数を公表しています。

品目建設廃棄物処理ガイドライン値荷積み状態の参考値実体積による参考値産業廃棄物(環境省)
建設汚泥1.2〜1.61.41.41.10
コンクリート塊1.6〜1.8(建設廃材として)1.82.35(無筋)
アスファルト・コンクリート塊1.6〜1.8(建設廃材として)1.82.351.48
建設発生木材0.4〜0.70.50.55
建設混合廃棄物0.24〜0.300.26
廃プラスチック1.10.35
廃石膏ボード0.65〜0.8
紙くず0.50.30
アスベスト0.90.30

出典国土交通省「2024年度 建設副産物実態調査 利用量・搬出先調査 記入要領」表10〈参考〉重量換算係数(トン/立方メートル)「産業廃棄物(環境省)」欄は建設廃棄物に限定しないため注意が必要と原資料に注記あり

産業廃棄物の重量換算係数(トン/立方メートル)
0.00.40.81.21.6アスファルト・コンクリート塊1.48t/m³建設汚泥1.10t/m³建設発生木材0.55t/m³廃プラスチック0.35t/m³紙くず0.30t/m³建設混合廃棄物0.26t/m³
0.00.40.81.21.6アスファルト・コンクリート塊1.48t/m³建設汚泥1.10t/m³建設発生木材0.55t/m³廃プラスチック0.35t/m³紙くず0.30t/m³建設混合廃棄物0.26t/m³

出典国土交通省「2024年度 建設副産物実態調査 利用量・搬出先調査 記入要領」表10(産業廃棄物(環境省)欄の値。建設廃棄物に限定しないため注意が必要と原資料に注記あり)

同じ品目でも列によって値が違うのは、荷積み状態か実体積かで密度が変わるためです。原資料には、体積から重量への換算は個々の実態に基づいて記入し、実態値がない場合にこの表を参考にするよう書かれています。実測できるなら実測値が優先します

台数建てをトン建てに直す計算例

秋田県の公表料金表には計算例が載っています。建設発生木材の重量換算係数を0.4トン/立方メートル、10トンダンプの荷台容量を6.0立方メートル/台とすると、1台あたりの積載重量は 6.0 × 0.4 = 2.4トン。単価が26,000円/台なら、26,000 ÷ 2.4 ≒ 10,833円となり、有効数字4桁で10,830円/トンと扱います。同じ考え方で4トンダンプ(2.4立方メートル/台)、2トンダンプ(1.6立方メートル/台)も換算できます。

業種別に単価が違って見える理由

「業種別の単価」を探しても、業種ごとの単価表は公表されていません。業種によって金額の見え方が変わるのは、次の2つの理由からです。

理由1:業種ごとに出る廃棄物の種類が違う

環境省の集計では、令和5年度の排出量は電気・ガス・熱供給・水道業が9,732万トン、農業・林業が8,070万トン、建設業が7,991万トンです。種類別では汚泥が1億5,854万トン、動物のふん尿が8,036万トン、がれき類が6,068万トンとなっています。

品目ごとの単価が数倍から10倍以上開くため、扱う品目が違えば同じ排出量でも金額が変わります。汚泥が中心の業種と、がれき類が中心の業種では、トンあたりの単価の水準そのものが違います。

理由2:業種指定のある品目がある

廃棄物処理法施行令は、産業廃棄物20種類のうち7種類に業種を指定しています。指定された業種以外から出た場合、同じ物でも産業廃棄物ではなく一般廃棄物として扱われ、費用の体系が変わります。

種類産業廃棄物になる業種・条件(抜粋)
紙くず建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うものに限る)、パルプ製造業、紙製造業、紙加工品製造業、新聞業、出版業、製本業・印刷物加工業
木くず建設業(同上)、木材・木製品製造業、家具製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業。貨物の流通に使用した木製パレットは業種指定なし
繊維くず建設業(同上)、繊維工業(衣服・その他の繊維製品製造業を除く)に係る天然繊維くず
動植物性残さ食料品製造業、医薬品製造業、香料製造業において原料とした動植物に係る固形状の不要物
動物系固形不要物と畜場で解体等をした獣畜、食鳥処理場で食鳥処理した食鳥に係る固形状の不要物
動物のふん尿・動物の死体畜産農業から排出されるもの

出典東京二十三区清掃一部事務組合「産業廃棄物一覧表」(廃棄物処理法第2条第4項・政令第2条)

飲食店から出る木くずと、木材加工業から出る木くずでは、委託先も契約の枠組みも変わります。見積もりを取る前に、自社の業種で自社の廃棄物がどの区分に当たるかを確定しておきます。

単位をそろえる作業手順

最後に、複数の見積もりを比べるときの手順をまとめます。

  1. 見積書ごとに単価の表記(kg・トン・立方メートル・台)を書き出す
  2. 立方メートル建て・台数建ては、重量換算係数を使って円/トンに直す
  3. 税と産業廃棄物税が単価に含まれているかを確認し、本体価格に揃える
  4. 収集運搬費と処分費を分けて、それぞれの円/トンを出す
  5. 品目の区分(有機・無機、有筋・無筋など)が各社で同じかを確認する

このうち5番目が食い違っていると、換算しても比較になりません。区分の判定基準は施設によって異なり、汚泥の有機・無機は化学的分析等で判定されます。

よくある質問

kg単価とトン単価はどう換算しますか。

1トンは1,000kgなので、円/kgを1,000倍すると円/トンになります。たとえば290円/10kgと表示されている単価は29円/kg、29,000円/トンです。処理料金を10kg単位で計算する施設もあるため、端数の扱いも合わせて確認します。

立方メートル建ての見積もりをトン建てに直せますか。

重量換算係数を使えば概算できます。国土交通省が建設副産物実態調査の記入要領で参考値を公表しており、建設発生木材は0.4〜0.7トン/立方メートル、コンクリート塊は1.8トン/立方メートル(荷積み状態での参考値)とされています。ただし実態値がある場合は実態値を使います。

同じ木くずでも業種によって扱いが違うのはなぜですか。

木くずは廃棄物処理法施行令で業種が指定されている品目だからです。建設業(工作物の新築・改築・除去に伴うものに限る)、木材・木製品製造業、家具製造業、パルプ製造業、輸入木材卸売業、物品賃貸業に係るものなどが産業廃棄物に当たります。貨物の流通に使用した木製パレットは業種指定がありません。

この記事で解決しないこと

  • 重量換算係数は参考値です。実際の重量は含水率・分別状態・積み方で変わるため、実測値がある場合は実測値を使います。
  • 業種別の単価そのものを集計した公的な統計は確認できませんでした。この記事では業種別の排出量と、業種指定のある廃棄物の区分から説明しています。
  • 換算後の金額は比較のための目安で、契約金額を保証するものではありません。

この範囲を扱う記事: 品目別の価格帯を実データで見る

参照した資料

資料 国土交通省「2024年度 建設副産物実態調査 利用量・搬出先調査 記入要領」 (表10〈参考〉重量換算係数(トン/立方メートル))

資料 公益財団法人島根県環境管理センター「処理料金表」 (処理単価と総額単価・処理料金の計算は10kg単位)

資料 一般財団法人クリーンいわて事業団「受入品目・処理料金」 (令和6年8月1日から・単位は円/10kg・税抜)

資料 大阪湾広域臨海環境整備センター「処分料金表」 (令和7年4月改定・単位は円/トン・消費税10%を含む)

資料 秋田県「令和7年度建設副産物処理料金表(情報公開用)」 (トラック1台あたりの単価をトン建てに換算する計算例を掲載)

資料 東京二十三区清掃一部事務組合「産業廃棄物一覧表」 (廃棄物処理法第2条第4項・政令第2条に基づく20種類の区分と指定業種)

資料 環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度実績)について」 (令和8年3月27日公表・業種別および種類別の排出量)

#単価#単位換算#重量換算係数#業種別

次にやること

単位をそろえた見積もりを価格帯に照らす

円/トンに直したら、都道府県が公表している施設横断の料金表から集計した品目別の中央値と価格帯に照らします。

品目別の中央値を見る

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