費用の目安は公開されている料金表と公的統計から集計し、出典を各記事に載せています。 編集方針
費用相場 相場データ

汚泥の処分費・処理費用の相場と種類

公開

産廃台帳編集部

汚泥は産業廃棄物のなかで最も排出量が多く、令和5年度実績で全体の42.1%を占めます。一方で再生利用率は7.6%と最も低く、処理工程を経てから埋め立てる流れが中心です。単価が種類と含水率で動く仕組みを、公表単価に当てて整理しました。

この記事の結論

  • 汚泥の単価は「種類」と「含水率」で動く。埋立処分の基準は、焼却または熱分解を行うか、含水率を85%以下にすること
  • 公共関与型の処分場の公表単価では、埋立処分の汚泥は1トンあたり11,000〜27,000円(税抜・産業廃棄物税を含む)
  • 同じ処分場でも、機械脱水・固化した建設汚泥と、それ以外の汚泥では単価の区分が分かれる例がある
  • 含水率が高いほど重量が増えるため、重量建ての料金では脱水の有無が請求額に直結する
対象 汚泥(建設汚泥・無機性汚泥・上下水汚泥を含む)
単位のそろえ方 1トンあたり・消費税抜き
出典の確認日 2026年8月11日

汚泥は排出量が最も多く、再生利用率が最も低い

環境省の令和5年度実績では、汚泥の排出量は約1億5,454万トンで、産業廃棄物全体の42.1%を占めます。2位の動物のふん尿(21.9%)の約2倍です。

産業廃棄物の種類別排出量(令和5年度実績)
367,250総排出量(千トン)
汚泥 154,539千トン(42.1%)動物のふん尿 80,363千トン(21.9%)がれき類 60,680千トン(16.5%)ばいじん 14,630千トン(4.0%)その他 57,038千トン(15.5%)

出典環境省「産業廃棄物の排出・処理状況等(令和5年度実績)」(令和8年3月27日公表。「その他」は総排出量から上位4種類を差し引いた値)

一方で、汚泥の再生利用率は7.6%で、調査対象の品目のなかで最も低い水準です。量が多く、再生利用に回りにくいという組み合わせが、汚泥の処理費用が事業所の廃棄物予算に占める比重を大きくしています。

埋立処分の基準にある「含水率85%」

汚泥をそのまま埋め立てることはできません。産業廃棄物処理事業振興財団が整理する処分基準では、汚泥の陸上埋立処分について次のいずれかが求められます。

  • 焼却設備による焼却、または熱分解設備による熱分解を行うこと
  • 含水率を85%以下にすること

有機性の汚泥はさらに、腐敗物を含む産業廃棄物の処分基準に従うこととされています。腐敗物を含むもの(熱しゃく減量15%以下およびコンクリート固形化物を除く)は一層3m以下、腐敗物40%以上のものは一層50cm以下とし、一層ごとに50cm以上の覆土をして埋め立てる、という基準です。水面埋立処分の場合、有機性の汚泥は焼却または熱分解が必要です。

この基準は料金表の構造にも表れます。島根県が公表する建設副産物受入単価では、建設汚泥の受入施設が含水率で2つに分けて掲載されています。

含水率掲載されている搬入先
85%以上建設汚泥受入施設(中間処理施設)
85%未満建設汚泥受入施設(最終処分場)

出典島根県「建設副産物受入単価(令和8年6月1日臨時改定)」目次および各表の見出し(2026年8月11日確認)

含水率が85%を超えていれば、まず中間処理施設で脱水・固化する工程が入ります。見積書に「汚泥処分」としか書かれていない場合、中間処理費が含まれているかを分けて確認する必要があります。

汚泥の埋立処分の公表単価

汚泥の埋立処分の公表単価(税抜・産業廃棄物税を含む1トンあたり)
06,00012,00018,00024,00030,000建設汚泥・島根11,000円汚泥A・大阪湾13,500円汚泥・岡山14,500円汚泥B・大阪湾16,000円無機性汚泥・岩手27,000円
015,00030,000建設汚泥・島根11,000円汚泥A・大阪湾13,500円汚泥・岡山14,500円汚泥B・大阪湾16,000円無機性汚泥・岩手27,000円

出典島根県の建設副産物受入単価および岡山県環境保全事業団・大阪湾広域臨海環境整備センター・クリーンいわて事業団の公表料金表(編集部で1トンあたり・消費税抜きに換算)(2026年8月11日確認。産業廃棄物税を実施している県の施設は1トンあたり1,000円を加算)

同じ「汚泥」でも、処分場が区分を分けている場合があります。大阪湾広域臨海環境整備センターは、汚泥Aを中間処理施設で機械脱水・固化した建設汚泥、汚泥Bをそれ以外の汚泥として区分し、単価を分けています。公表料金表では汚泥Aが14,850円/トン、汚泥Bが17,600円/トン(いずれも消費税10%を含む)です。

施設・区分公表単価税等の扱い
大阪湾/汚泥A14,850円/トン消費税込み・産業廃棄物税なし
大阪湾/汚泥B17,600円/トン消費税込み・産業廃棄物税なし
大阪湾/上水汚泥(公共系)12,870円/トン消費税込み・産業廃棄物税なし
大阪湾/下水汚泥(公共系)12,870円/トン消費税込み・産業廃棄物税なし
岡山/汚泥(埋立)13,500円/トン税抜・別途産業廃棄物税1,000円/トン
岡山/汚泥(焼却)15,000円/トン税抜
岩手/無機性汚泥260円/10kg税抜・別途産業廃棄物税1,000円/トン
島根/建設汚泥(含水率85%未満・最終処分場)10,000円/トン税抜・別途産業廃棄物税1,000円/トン

出典大阪湾広域臨海環境整備センター「処分料金表」(令和7年4月改定)/公益財団法人岡山県環境保全事業団「産業廃棄物の種類別処理処分単価表」(2021年9月公表版)/一般財団法人クリーンいわて事業団「受入品目・処理料金」(令和6年8月1日から適用)/島根県「建設副産物受入単価」(令和8年6月1日臨時改定)(2026年8月11日確認・原典の表記のまま掲載)

島根県の同じ表では、建設汚泥を体積建てで受け入れる最終処分場も掲載されており、1立方メートルあたり27,000円・60,000円という単価が並んでいます。重量建てと体積建てが混在するため、複数社の見積もりを比べるときは単位をそろえる作業が先に必要です。

重量が計れないときの換算係数

島根県の受入単価表には、最終処分場に搬入される産業廃棄物の重量の計測が困難な場合、搬入容量に産業廃棄物税の施行規則で定める換算係数(汚泥は1.10、廃プラスチック類は0.35)を乗じて重量を求める、という取り扱いが記載されています。体積建ての見積もりを重量に直すときの目安になります。

汚泥の種類と、費用に効く条件

区分費用に効く条件
有機性の汚泥腐敗物を含む産業廃棄物の処分基準が適用される。水面埋立の場合は焼却または熱分解が必要
無機性の汚泥含水率85%以下にできれば埋立処分の基準を満たす。脱水・固化の中間処理費が別に発生する
建設汚泥含水率85%を境に搬入先が中間処理施設と最終処分場に分かれる。機械脱水・固化済みかで処分場の単価区分が変わる例がある
上水汚泥・下水汚泥公共系として別の単価を設ける処分場がある
有害物質を含む汚泥有害判定基準に適合しない場合は特別管理産業廃棄物の処理基準が適用され、料金体系が変わる

出典公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「処分基準(政令第6条、第6条の5)」/大阪湾広域臨海環境整備センター「よくあるご質問」/島根県「建設副産物受入単価」をもとに編集部で整理

なお、脱水・固化した建設汚泥を再生資材として使う場合、その処理物が廃棄物にあたるかどうかは別の論点になります。環境省の「行政処分の指針について」は、建設汚泥処理物の廃棄物該当性について、平成17年7月25日付け環廃産発第050725002号「建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針について」を併せて参考にするよう示しています。

見積書で確認する項目

確認する項目確認の内容
汚泥の区分有機性か無機性か。建設汚泥か。上下水汚泥か
含水率85%以上か未満か。搬入先が中間処理施設か最終処分場か
中間処理費脱水・固化の費用が処分費と分けて記載されているか
単位円/トンか円/m³か。体積建ての場合の換算の考え方
収集運搬費処分費と分けて記載されているか。バキューム車など車両条件
産業廃棄物税搬入先の道府県が導入しているか。単価に含むか別途か
分析費用受入前の成分分析が必要か。その費用の負担者

出典各施設の公表料金表・受入条件の記載項目をもとに編集部で整理

よくある質問

汚泥の処分費は1トンいくらが目安ですか。

公共関与型の処分場や都道府県が公表する単価では、埋立処分の汚泥は1トンあたり11,000〜27,000円(税抜・産業廃棄物税を含む)の幅があります。焼却処分の単価を別に定める施設もあります。

含水率85%にはどんな意味がありますか。

汚泥の陸上埋立処分の基準として、焼却設備による焼却もしくは熱分解設備による熱分解を行うか、含水率85%以下にすることが定められています。都道府県の受入単価表でも、含水率85%以上は中間処理施設、85%未満は最終処分場と搬入先を分けて掲載している例があります。

脱水すると費用は下がりますか。

重量建ての料金では、水分が減るぶん搬出重量が減ります。ただし脱水・固化の中間処理費が別に発生するため、処分単価だけでなく中間処理費を含めて比較する必要があります。

この記事で分からないこと

  • 有害物質の判定基準に適合しない汚泥は特別管理産業廃棄物の処理基準が適用され、この記事の単価は当てはまりません
  • 公表単価は処分側の受入単価です。脱水・固化などの中間処理費、収集運搬費を含む請求総額とは一致しません
  • 手元の汚泥がどの区分にあたるかの個別判定はしていません。区分の考え方と確認する観点だけを示しています

この範囲を扱う記事: 見積書の項目を分けて比べる手順を見る

参照した資料

資料 環境省「産業廃棄物の排出・処理状況等(令和5年度実績)」 (令和8年3月27日公表)

資料 公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「処分基準(政令第6条、第6条の5)」 (2026年8月11日確認)

資料 大阪湾広域臨海環境整備センター「処分料金表」 (令和7年4月改定・消費税10%を含む1トンあたりの金額)

資料 大阪湾広域臨海環境整備センター「よくあるご質問」 (汚泥A・汚泥Bの区分。2026年8月11日確認)

資料 公益財団法人岡山県環境保全事業団「産業廃棄物の種類別処理処分単価表」 (2021年9月公表版・税抜・埋立処分は別途産業廃棄物税1,000円/トン)

資料 一般財団法人クリーンいわて事業団「いわてクリーンセンター 受入品目・処理料金」 (令和6年8月1日から適用・税抜・単位は円/10kg)

資料 島根県「建設副産物受入単価(令和8年6月1日臨時改定)」 (2026年8月11日確認・消費税を含まない単価)

資料 環境省「行政処分の指針について」(平成25年3月29日 環廃産発第1303299号) (建設汚泥処理物の廃棄物該当性の判断指針への参照を含む)

#汚泥#建設汚泥#含水率#脱水#中間処理

次にやること

届いた見積書を項目ごとに分けて並べる

処分費だけを見比べても差の理由は分かりません。収集運搬費・中間処理費・処分費・税を分けて同じ行に並べる手順をまとめています。

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