費用の目安は公開されている料金表と公的統計から集計し、出典を各記事に載せています。 編集方針
費用相場 相場データ

金属くず・ガラスくずの処分費相場

公開

産廃台帳編集部

金属くずは、処分費を払って引き取ってもらう場合と、有償で買い取られる場合があります。同じ工場から出る同じ品目でも扱いが分かれるのは、廃棄物か有価物かの判断が価格だけで決まらないためです。判断の枠組みと、埋立処分になった場合の公表単価を並べました。

この記事の結論

  • 金属くずは処分費を払う前に、有価物として引き取られる形にできるかを確認する。金属くずの再生利用率は95.4%(令和5年度実績)
  • 有価物か廃棄物かは価格だけでは決まらない。物の性状・排出の状況・通常の取扱い形態・取引価値の有無・占有者の意思を総合的に勘案して判断される
  • 埋立処分になる場合の公表単価は、金属くずで1トンあたり9,500〜13,100円、ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くずで9,500〜31,000円(税抜)
  • 分別せずに混ぜると単価は下がらない。混合廃棄物の単価を「含まれる種類の中で最も高い金額」とする料金表がある
対象 金属くず/ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
単位のそろえ方 1トンあたり・消費税抜き
出典の確認日 2026年8月11日

金属くずは「処分費を払う品目」とは限らない

金属くず・ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずは、いずれも廃棄物処理法で定める産業廃棄物20種類のうち、業種の限定なくあらゆる事業活動から出る品目に分類されます。

このうち金属くずは、処分費を払う側になるか、代金を受け取る側になるかが分かれます。環境省の令和5年度実績では、金属くずの排出量は約694万トン、再生利用率は95.4%です。がれき類の95.9%に次ぐ水準で、埋め立てられる量は限られます。

産業廃棄物の種類別の再生利用率(令和5年度実績)
020406080100がれき類95.9%金属くず95.4%鉱さい91.2%廃油46.1%廃酸33.0%廃アルカリ22.4%汚泥7.6%
020406080100がれき類95.9%金属くず95.4%鉱さい91.2%廃油46.1%廃酸33.0%廃アルカリ22.4%汚泥7.6%

出典環境省「産業廃棄物の排出・処理状況等(令和5年度実績)」(令和8年3月27日公表)

再生利用率が高い品目は、再生材としての需要があるため引き取り手がつきやすく、結果として処分費が抑えられる傾向があります。逆に汚泥のように再生利用率が7.6%の品目は、処理工程を経てから埋め立てる流れが中心になります。

有価物か廃棄物かは価格だけで決まらない

金属くずを「売れるから廃棄物ではない」と扱うかどうかは、実務でよく迷う論点です。環境省の「行政処分の指針について」(平成25年3月29日 環廃産発第1303299号)は、廃棄物該当性の判断について次の枠組みを示しています。

廃棄物とは、占有者が自ら利用し、又は他人に有償で譲渡することができないために不要となったものをいい、これらに該当するか否かは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案して判断すべきものであること。

引用環境省「行政処分の指針について」(環廃産発第1303299号)2013第1 総論 4 事実認定について

同じ指針は、判断要素ごとの一般的な基準を示しています。金属スクラップの取り扱いで実務上の目安になるのは次の点です。

判断要素指針が示す基準の要点
物の性状利用用途に要求される品質を満たし、飛散・流出・悪臭等の支障が生じるおそれのないもの
排出の状況排出が需要に沿った計画的なもので、排出前・排出時に適切な保管と品質管理がされている
通常の取扱い形態製品としての市場が形成され、廃棄物として処理されている事例が通常は認められない
取引価値の有無有償譲渡がなされ、名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと。運送費等を勘案しても双方にとって合理的な額であること
占有者の意思適切に利用し、または有償譲渡する意思が客観的に認められること

出典環境省「行政処分の指針について」(平成25年3月29日 環廃産発第1303299号)(第1 総論 4(2) 廃棄物該当性の判断について)

指針は「名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと」を確認事項として挙げています。買取代金と処理料金を相殺して差額だけをやり取りしている取引は、この基準に照らして見直す余地があります。

埋立処分になった場合の公表単価

埋め立てる場合の単価は、公共関与型の処分場が料金表を公開しています。1トンあたり・消費税抜きに揃え、産業廃棄物税を実施している県の施設は1トンあたり1,000円を加えました。

施設金属くずガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くず
岡山県環境保全事業団9,500円9,500円
大阪湾フェニックスセンター13,100円13,100円
いわてクリーンセンター受入品目に記載なし31,000円

出典各施設の公表料金表(1トンあたり・消費税抜き。大阪湾は税込表示を編集部で税抜換算、いわては円/10kg表示を編集部で換算)(2026年8月11日確認。産業廃棄物税は含まない)

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの埋立処分の公表単価(税抜・産業廃棄物税を含む1トンあたり)
06,80013,60020,40027,20034,000岡山県の処分場10,500円大阪湾の処分場13,100円岩手県の処分場32,000円
017,00034,000岡山県の処分場10,500円大阪湾の処分場13,100円岩手県の処分場32,000円

出典岡山県環境保全事業団・大阪湾広域臨海環境整備センター・クリーンいわて事業団の公表料金表(編集部で1トンあたり・消費税抜きに換算)(2026年8月11日確認。産業廃棄物税を実施している県の施設は1トンあたり1,000円を加算)

ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずは、令和5年度の排出量が約835万トン、最終処分の比率は13.2%です。最終処分の比率が高い品目の上位に入っており、埋立の単価がそのまま費用に効きやすい品目といえます。

混ぜると単価は下がらない

料金表の備考は単価そのものより重要な場合があります。岡山県環境保全事業団の単価表には、混合廃棄物の扱いが明記されています。

混合廃棄物の単価は「最も高い種類」に合わせられる

岡山県環境保全事業団の単価表の備考2は、混合廃棄物の処理処分単価を「含まれる産業廃棄物の種類の中で最も高い金額」とする旨を記載しています。金属くず9,500円/トンとガラスくず9,500円/トンに廃プラスチック類21,000円/トンが混ざれば、全量が21,000円/トンで計算される料金体系です。

分別の手間と、混合扱いになったときの単価差を並べて比べると、現場での分別が費用にどれだけ効くかが見えます。

埋立処分の技術上の基準

金属くずとガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずは、安定型産業廃棄物に位置づけられます。産業廃棄物処理事業振興財団が整理する処分基準では、この2品目の埋立処分について破砕や焼却などの前処理基準は定められていません。

ただし例外があります。自動車等破砕物、廃プリント配線板、鉛蓄電池の電極、鉛製の管・板、廃ブラウン管(側面部)、廃石膏ボード、廃容器包装などは、管理型埋立または中間処理が必要とされています。同じ「金属くず」「ガラスくず」の名称で見積書に載っていても、これらに該当する場合は処理の経路と単価が変わります。

見積書と料金表で確認する項目

確認する項目確認の内容
取引の向き処分委託か、有償譲渡か。有償譲渡なら処理料金に相当する金品の受領がないか
品目の内訳金属くず・ガラスくず単独か、混合廃棄物か。自動車等破砕物等が含まれるか
単位円/トン・円/kg・円/10kg・円/m³のどれか
混合時の扱い混ざった場合に最も高い種類の単価が適用される料金体系か
産業廃棄物税搬入先の道府県が導入しているか。単価に含むか別途か
消費税単価が税抜か税込か

出典各施設の公表料金表の記載項目および環境省「行政処分の指針について」をもとに編集部で整理

よくある質問

金属くずは必ず処分費がかかりますか。

かかる場合とかからない場合があります。有償で譲渡できる状態であれば有価物として扱われ、処分委託の対象になりません。有価物と認められるかは、物の性状・排出の状況・通常の取扱い形態・取引価値の有無・占有者の意思を総合的に勘案して判断されます。

ガラスくずの処分費はいくらが目安ですか。

公共関与型の処分場の公表単価では、ガラスくず、コンクリートくず及び陶磁器くずの埋立単価は1トンあたり9,500〜31,000円(税抜)の幅があります。産業廃棄物税を実施している道府県では、これに1トンあたり1,000円が加わります。

分別せずにまとめて出すと安くなりますか。

料金表によっては逆になります。岡山県環境保全事業団の単価表には、混合廃棄物の処理処分単価は含まれる産業廃棄物の種類の中で最も高い金額とする、という備考が記載されています。

この記事で分からないこと

  • 鉄スクラップ・非鉄金属の買取価格は市況で日々動きます。この記事では買取相場を扱っていません
  • 手元の金属くずが有価物にあたるかどうかの個別判断はしていません。判断の枠組みと確認する観点だけを示しています
  • 公表単価は処分側の受入単価です。収集運搬費・積込費を含む請求総額とは一致しません

この範囲を扱う記事: 見積書の項目を分けて比べる手順を見る

参照した資料

資料 環境省「行政処分の指針について」(平成25年3月29日 環廃産発第1303299号) (廃棄物該当性の判断について)

資料 環境省「産業廃棄物の排出・処理状況等(令和5年度実績)」 (令和8年3月27日公表)

資料 大阪湾広域臨海環境整備センター「処分料金表」 (令和7年4月改定・消費税10%を含む1トンあたりの金額)

資料 公益財団法人岡山県環境保全事業団「産業廃棄物の種類別処理処分単価表」 (2021年9月公表版・税抜・埋立処分は別途産業廃棄物税1,000円/トン)

資料 一般財団法人クリーンいわて事業団「いわてクリーンセンター 受入品目・処理料金」 (令和6年8月1日から適用・税抜・単位は円/10kg)

資料 公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「処分基準(政令第6条、第6条の5)」 (2026年8月11日確認)

資料 総務省「法定外税の実施状況(令和6年度)道府県法定外目的税」 (令和7年1月現在)

資料 東京都環境局「産業廃棄物の種類」 (2026年8月11日確認)

#金属くず#ガラスくず#陶磁器くず#スクラップ#有価物

次にやること

届いた見積書を項目ごとに分けて並べる

処分費だけを見比べても差の理由は分かりません。収集運搬費・処分費・税を分けて同じ行に並べる手順をまとめています。

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