費用の目安は公開されている料金表と公的統計から集計し、出典を各記事に載せています。 編集方針
費用相場 相場データ

地域別の産業廃棄物処理費用相場(都道府県ごとの目安)

公開

産廃台帳編集部

「よその地域ではいくらか」を知りたいときに参照できる公開データは、民間業者の料金表ではなく、都道府県が関与して整備した最終処分場の受入単価です。3つの施設が公表している単価を同じ品目で並べ、地域差がどこから生まれるかを分解します。

この記事でわかること

  • 公共関与の最終処分場が公表している埋立単価は、同じ「がれき類」でも 12,210 円/トンから 29,000 円/トンまで開きます
  • 地域を調べる前に品目を確定させます。同じ施設の中でも品目によって単価が 5 倍以上違うことがあります
  • 搬入先の都道府県によっては産業廃棄物税が上乗せされます。導入の有無と税率は都道府県ごとに違います
調べる対象 埋立処分の受入単価
必要なもの 廃棄物の種類(20種類区分)と数量
手元に残るもの 自社の品目に対応する目安の幅

地域差はどこから生まれるか

産業廃棄物の処理費用に公定価格はありません。地域で差が出る要因は、大きく3つに分かれます。

  1. 処分側の受入単価 — 施設が公表している埋立・焼却などの単価
  2. 収集運搬費 — 排出場所から施設までの距離・車両・積込みの条件で変わる
  3. 都道府県の産業廃棄物税 — 搬入先の都道府県が課税していれば上乗せされる

このうち、地域をまたいで比べられる形で公開されているのは1つめの受入単価と3つめの税率です。2つめの収集運搬費は各社の見積もりでしか分かりません。この記事は公開されている1と3を並べ、2は見積もりで確かめる、という分担で書いています。

公共関与の最終処分場が公表している埋立単価

都道府県や自治体が関与して整備された最終処分場は、受入料金を公表しています。ここでは東北・中部・近畿の3施設を同じ品目で並べました。

軸 01同じ品目の埋立処分単価(円/トン)税の扱いは施設ごとに異なる

廃棄物の種類いわてクリーンセンター
(岩手・税抜)
愛知臨海環境整備センター
(愛知・消費税別)
大阪湾フェニックスセンター
(近畿・消費税込)
燃え殻29,00018,30022,220
無機性汚泥26,00019,40014,850〜17,600
ガラスくず・コンクリートくず及び陶磁器くず31,00014,90014,410
がれき類29,00014,90012,210
鉱さい13,000〜26,00016,70013,200
ばいじん29,00022,220
金属くず12,70014,410
廃プラスチック類66,70017,600

出典いわてクリーンセンター/愛知臨海環境整備センター/大阪湾広域臨海環境整備センターの各公表料金表(2026年8月11日確認)

表を読むときの注意点を先に書きます。

  • 岩手の料金表は円/10kg表記です。この表では編集部が100倍してトン単価に換算しています
  • 愛知の「燃え殻」は焼却施設由来が19,400円、それ以外が18,300円です。表には後者を載せています
  • 大阪湾の「汚泥」はAが14,850円、Bが17,600円の2区分です
  • 「—」は、その施設の公表料金表に該当区分の記載を確認できなかったものです
同じ「がれき類」の埋立処分単価(公共関与3施設)
06,40012,80019,20025,60032,000大阪湾(フェニックス)12,210円/トン愛知(愛知臨海)14,900円/トン岩手(いわてクリーン)29,000円/トン
016,00032,000大阪湾(フェニックス)12,210円/トン愛知(愛知臨海)14,900円/トン岩手(いわてクリーン)29,000円/トン

出典各施設の公表料金表(岩手は円/10kg表記を編集部が100倍してトン単価に換算。税の扱いは施設で異なる(2026年8月11日確認))

がれき類の埋立単価は、3施設のうち最も安い施設と最も高い施設で 2.4 倍の開きがあります。ただしこの差がそのまま「地域の相場の差」ではありません。施設ごとに埋立地の残余容量・立地・受入基準が異なり、税の扱い(税抜表示か税込表示か)も揃っていません。

同じ地域の中でも、品目で数倍違う

地域を調べる前に確認したいのが品目です。同じ施設の同じ埋立処分でも、廃棄物の種類が変われば単価は大きく動きます。

同じ施設の中の品目別単価(愛知臨海環境整備センター)
014,00028,00042,00056,00070,000廃プラスチック類66,700円/トンダスト類20,600円/トン無機性汚泥19,400円/トン鉱さい16,700円/トンがれき類14,900円/トン金属くず12,700円/トン
035,00070,000廃プラスチック類66,700円/トンダスト類20,600円/トン無機性汚泥19,400円/トン鉱さい16,700円/トンがれき類14,900円/トン金属くず12,700円/トン

出典公益財団法人愛知臨海環境整備センター「処分料金表」(単位は円/トン・消費税別。廃プラスチック類は「その他」の区分(溶融固化物は17,600円)(2026年8月11日確認))

愛知臨海環境整備センターの公表料金表では、廃プラスチック類(その他)が66,700円/トン、金属くずが12,700円/トンで、同じ施設の中で 5.3 倍の差があります。地域差を調べる前に、自社の廃棄物が20種類区分のどれにあたるかを確定させるほうが、金額への影響は大きくなります。

なお、同じ廃プラスチック類でも溶融固化物として搬入する区分は17,600円で、性状の違いによっても単価が変わります。

全国の最終処分量は排出量の2.4%

環境省の公表によると、令和5年度の産業廃棄物の総排出量は3億6,725万トンで、このうち再生利用量が2億79万トン(54.7%)、減量化量が1億5,772万トン(42.9%)、最終処分量が875万トン(2.4%)です。埋立に回る量は全体の一部で、費用の大半は中間処理と収集運搬の側で決まります。

産業廃棄物税が上乗せされる地域

都道府県が条例で課している法定外目的税として、産業廃棄物税があります。搬入先の都道府県が導入していれば、処理料金に上乗せされます。

軸 02確認できた産業廃棄物税の税率導入の有無・税率は都道府県ごとに異なる

都道府県焼却施設への搬入最終処分場への搬入備考
宮崎県800円/トン1,000円/トン平成17年度導入
福岡県800円/トン1,000円/トン北九州市の最終処分場等に免除の定めあり
愛知県1,000円/トン公社の料金表に「別途産業廃棄物税」と明記

出典宮崎県・福岡県の各産業廃棄物税ページ、愛知臨海環境整備センター処分料金表(2026年8月11日確認)

納税義務者は、焼却施設および最終処分場へ産業廃棄物を搬入する排出事業者または中間処理業者です。実務上は処理業者の請求に含まれる形で負担することになるため、見積書に税額が内訳として書かれているかを確認します。

自分の地域の目安を出す3ステップ

公開データだけでは自社の金額は出ません。次の順で埋めます。

ステップ1: 品目と数量を確定する(30分) 廃棄物処理法の20種類区分のどれにあたるかを決めます。「混合廃棄物」のままだと、どの施設の料金表とも突き合わせられません。数量は重量(トン・kg)で押さえます。

ステップ2: 搬入先の都道府県の税を調べる(15分) 搬入先の都道府県の税務担当課のページで、産業廃棄物税の導入の有無と税率を確認します。排出元ではなく搬入先の都道府県で課税される点に注意します。

ステップ3: 地域の許可業者から同じ条件で見積もりを取る 産廃情報ネット(さんぱいくん)で、地域・廃棄物の種類・業の区分から許可業者を検索できます。ステップ1で確定した品目名と数量を同じ文面で複数社に送り、返ってきた金額を並べます。

公社の単価が分かったので、これを基準に業者と交渉できますか。
読者
公社の単価は埋立処分の受入価格で、収集運搬費・中間処理費・積込みの人件費は含みません。交渉の基準ではなく、届いた見積書の「処分費」の欄が桁として説明のつく範囲かを見る物差しとして使うほうが実務に合います。
産廃台帳編集部

よくある質問

都道府県ごとの産業廃棄物の処理費用の一覧表はありますか。

全都道府県を横断して民間の処理料金を集めた公的な一覧表は確認できていません。公開されているのは、都道府県が関与して整備した最終処分場が自ら公表している受入単価と、都道府県の産業廃棄物税の税率です。この記事はその2つを並べています。

宮崎県で産業廃棄物を処理する場合の料金はいくらですか。

宮崎県内の施設の受入単価を公表資料で確認できていないため、金額は示していません。宮崎県では産業廃棄物税として焼却施設への搬入に1トンあたり800円、最終処分場への搬入に1トンあたり1,000円が課されます(平成17年度導入)。実際の料金は、県内の許可業者に同じ条件で見積もりを依頼して確かめます。

隣の県の業者に頼めば安くなりますか。

処分単価だけを見れば安い施設もありますが、収集運搬費は距離で増えます。あわせて、委託先が運搬にかかわる自治体の収集運搬業の許可を持ち、その許可品目に自社の廃棄物が含まれていることを先に確認します(東京都環境局)。

この記事で解決しないこと

  • 収集運搬費は含んでいません。ここで並べているのは処分側の受入単価です
  • 民間の処理業者の料金は各社が個別に設定しており、この記事の数値は民間料金の代表値ではありません
  • 施設ごとに受入基準・分析の要否・搬入方法が異なるため、単価だけでは総額を比べられません

この範囲を扱う記事: 見積書の項目を揃えて比べる手順

参照した資料

資料 一般財団法人クリーンいわて事業団「いわてクリーンセンター 受入品目・処理料金」 (令和6年8月1日以降適用・税抜・円/10kg表記(2026年8月11日確認))

資料 公益財団法人愛知臨海環境整備センター「業務内容(処分料金表)」 (単位は円/トン・消費税別・産業廃棄物税1トンあたり1,000円が別途(2026年8月11日確認))

資料 大阪湾広域臨海環境整備センター「処分料金表」 (令和7年4月改定・消費税10%込み・円/トン(2026年8月11日確認))

資料 宮崎県「産業廃棄物税について」 (焼却施設1トンあたり800円・最終処分場1トンあたり1,000円・平成17年度導入)

資料 福岡県「産業廃棄物税の概要」 (焼却施設1トンあたり800円・最終処分場1トンあたり1,000円)

資料 環境省「産業廃棄物の排出及び処理状況等(令和5年度実績)について」 (2026年3月27日公表・総排出量3億6,725万トン・最終処分量875万トン)

資料 公益財団法人産業廃棄物処理事業振興財団「産廃情報ネット(さんぱいくん)」 (全国の産業廃棄物処理業者の許可情報の検索(2026年8月11日確認))

資料 東京都環境局「処理を委託する場合」 (委託先の許可の有無と許可品目の確認について(2026年8月11日確認))

#費用相場#地域差#最終処分#産業廃棄物税

次にやること

届いた見積書を、同じ項目に分解して並べる

地域の目安が出たら、次は手元の見積書です。収集運搬費・処分費・税をそれぞれ切り分けて、複数社を同じ形に揃えます。

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